The Most Impressive Scene(2)〜いまでも心に残る、あのプレー〜(大西将太郎) | ラグビージャパン365

The Most Impressive Scene(2)〜いまでも心に残る、あのプレー〜(大西将太郎)

2013/02/01

文●斉藤健仁


啓光学園、同志社大時代から花園の緑の芝生の上で接近してのパスや激しいタックルで存在感を示してきた大西将太郎。そんなベテランCTBが最も印象に残っているシーンとして挙げたのは…オールアウトラグビーマガジン「RUGGER」と共同企画の第2回!

塊になって、一つになって、みんなで喜んで というのは初めての経験だったし、 最初で最後なんです。

自分のトライというわけではないですが、僕の中で強く印象に残っているのは、2007年ワールドカップ2戦目のフィジー戦、LOトモ(トンプソン・ルーク)のトライ後のことなんです。ワールドカップといえばカナダ戦(12-12)で引き分けに導いたゴールキックのことを聞かれることが多かったのですが、実はこのことは今までインタビューで一度も言ったことはないんですよ。

そのトライは後半11分、トンプソンが左中間をすっと抜けて取った1本目のトライです。そのトライ後、試合前に誰も何も言っていないのに、全員が自然と集まった。あれが僕、本当のラグビーの良さというか醍醐味だと思った。今まで何百試合とラグビーの試合を経験してきましたが、何にも打ち合わせしていないのに、あんなに塊になって一つになってみんなで喜んでというのは初めての経験だったし、最初で最後なんです。あのシーンが一番好きですね。

2戦目のフィジー戦は、初戦のオーストラリア戦に大敗(3-91)した後で「俺たちがやらなあかん!」という時だったし、僕は初戦に出場してなかったので初めてのワールドカップの舞台だった。みんなこの試合に賭けていました。WTB大畑(大介)さんや、SO安藤(栄次)や、(ジェームズ)アレジなど、大会前にケガをした選手の思いもありました。

さらに、試合の前半は緊迫したPGの決め合いで、後半、フィジーが先にトライを決めていた。僕たちもいい試合をしていたので「行けるぞ」という気持ちはあったんですが、一方でトライが取れていなかったという不安がどこかにあったんです。そういったいろんな思いが一つになったんでしょうね。いろんな気持ちを乗せてボールをつないで、最終的にトモ(トンプソン)がトライを取った。みんなの気持ちが爆発し、チームが一つになった瞬間でした。

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